左右差の大きい眼瞼下垂症について
左の方が重症な左右差のある眼瞼下垂の症例です。このような場合に重症な左眼だけ手術すると、一見すると正常に見える右眼の瞼の開きが悪くなる現象が生じます。
そのため本症例でも左右両方の眼瞼挙筋前転術を行っています。術前と比べて開瞼の左右差が改善しているのが分かります。
『ヘリングの法則』といって、まぶたは大脳皮質からの収縮シグナルを左右同程度受けて動きます。神経や筋肉の動きが左右完全に独立しているのではなく、ある程度左右協同的に支配されています。眼瞼下垂を生じると、少しでもまぶたを開けようと左右両方の眼瞼挙筋へ収縮シグナルが多く大脳皮質から発せられます。このような状態で重症な左眼だけ手術をすると、視野が改善するため収縮シグナルが左右両方減少します。すると過剰な収縮シグナルでなんとか開いていた右眼が逆に下がってしまうシーソー現象が起きてしまいます。
- 副作用(リスク)
- 皮下出血班、左右差、瘢痕、外反、ドライアイ
- 費用(手術代)
- 両側14,400円
(負担1割の場合) - 治療期間
- 術後約1週間で抜糸